「協同ではたらくガイドブック -入門編-」のご紹介

はじめまして、ERINA(エリナ)です。
私は、新卒でワーカーズに入って、今年で4年目になります。今はワーカーズコープの研究所で働いています。 今回は、その研究所でつくったワーカーズコープの働きかたのガイドブックをご紹介します。

ワーカーズコープは ”働きかた” なんです!

この冊子には、誰にでもわかりやすくワーカーズコープのことや、ワーカーズコープの立ち上げ方法を知ってもらいたい!という思いが込められています。

「新しい働きかた図鑑」には、日本全国のワーカーズコープの取り組みが、働くひとの思いや目線から描かれています。やっている仕事はさまざまで、日本全国でいろいろな人が働いているので、「ワーカーズコープってなんだろう?」とふしぎに思っている人もいるかもしれません。

それもそのはず。ワーカーズコープは、職種や業種では説明できない、“働きかた”のことなのです。だから、「新しい働きかた図鑑」なんですね。

みなさんが、「この働きかた、おもしろそう」と思ってくれた時に、最初の一歩を踏み出す背中を押したい。そんな思いで、ヒントがぎゅっとつまっている『協同ではたらくガイドブック-入門編-』を紹介していきたいと思います。

このガイドブックは、大きく2つの内容で構成されています。第1部は「ワーカーズコープで働く」として、実際にワーカーズコープの働きかたで仕事をしている人たちの声を掲載しています。続く第2部は、「ワーカーズコープを立ち上げる」として、どうやってワーカーズコープをはじめるのか、必要なことはなにか、といったことを紹介しています。

1人の思いから仕事が生まれます。

それでは、第1部「ワーカーズコープで働く」では、どんな人たちの声が掲載されているのか見てみましょう。

ページをめくると、まず目に飛び込んでくるのは、20代から70代まで、いろいろな世代の人の写真と、日本全国で展開している活動の様子。

ワーカーズコープは、「1人の思いから仕事が生まれる」ということがよくありますが、写っている一人ひとりが「こんなことをしてみたい、こんなことに困っている」という思いを、仕事を通して実現していることが分かります。カフェや居場所づくり、農業、林業、介護、建物管理など、仕事の内容はさまざま。



働くひとたちの思いからはじまる新しい働きかた

どんな人が、どんな思いで働いているのかを知ったあとに、ワーカーズコープの働きかたについての説明が続きます。働く一人ひとりが大切にされ、いきいきと仕事ができる働きかたは、どうしたら実現できるのでしょう。

働くひとたちの思いを事業に反映させるために、働くひとが出資をして経営にも携わるという、新しい働きかたが生まれます。聞き馴染みのある「雇用労働」とは異なり、働く一人ひとりが、話し合いをベースに事業計画や予算作成、事業運営、見直し等を協同しておこなっていくため、「協同労働」という言葉もできました。

ワーカーズコープの仕組みについて少し知ったところで、この働きかたの「魅力」や「やりがい」について、リーダーたちの本音トーク。

北海道から鹿児島まで、6人のリーダーに、「ワーカーズコープとの出会い」「特徴」「原動力」「今の課題とこれから」について聞いていきます。特徴についての話の中では、「上下関係がなく、一人ひとりが認められています。このような関係が仲間との絆も強くしていると感じています」ということや、「未完成であること、試行錯誤しながらつくっていく感じが面白い」という言葉もありました。

第1部の最後は、研究機関や大学、学会などの方々から、「ワーカーズコープの働きかたを通じて、社会はどう変わるのか」という視点でコメントを寄せてもらっています。


ワーカーズコープを立ち上げるヒント

第2部「ワーカーズコープを立ち上げる」では、立ち上げるためのプロセスを、順を追って説明していきます。プロセスは、大きく分けて5つ。「動機となる思いや仲間集め」「計画」「準備」「開始・継続」「発展」に分けて、それぞれのフェーズで何が必要かというのも、一覧になっています。


イラストや写真がたくさん使われていて、イメージしながら読み進めることができるようにしたことと、プロセスごとに大切なことを忘れないように、チェックポイントを付けたことがこだわりの部分です。

よい仕事のための心がけ

立ち上げの大まかな流れを見た後に、事業を継続していくために大切なポイントを、「よい仕事のための心がけ」として3つ掲載しました。一人ひとりの思いから始まるのがワーカーズコープの特徴ですが、共感する仲間と出会い、お互いの意見を尊重し合いながら事業を行っていくためには、情報共有と話し合いがとっても重要です。

話し合うためには、どんな情報を集めたらいいの?
いい話し合いの場の作りかたは?
事業をもっとよくしていくためにどうしたらいい?

ここでは、そんな基本的なことを押さえていきます。


素朴なギモンにお答えします。

ワーカーズコープがなんなのか、ちょっと分かってくると、素朴なギモンが出てきます。「出資して仕事をつくるって、どのくらいの出資金が必要なんだろう」とか、「経営に参加するって、経験したことなくて不安」とか。そんなギモンに答える Q & A も作りました。この部分の執筆に私も関わったんです!

載っていないことで聞きたいことがあったら、気軽に連絡をしてくださいね。

3つの実践に注目して、そこでワーカーズコープが生まれたストーリーの紹介が続きます。徳島県で、少子化によって廃校になった学校をつかった居場所づくりの実践なんかも掲載しています。


スペインにもあるんです。

第2部の最後は、海外のワーカーズコープの事例ということで、スペインの取り組みを載せました。

2017年にCICOPAという国際ワーカーズコープ連合会が行った調査では、全世界で約400万人の人々が、約65,000のワーカーズコープで多様な仕事をしているんだとか。

スペインでは、書店やブックカフェ、バル、ワーカーズコープ起業支援窓口もワーカーズコープで運営されています。

最後に付録として、ワーカーズコープの法律の話や、日本全国にあるワーカーズコープの事業本部の連絡先なども載せました。

みんなでつくったんです!

ガイドブックの内容を簡単に紹介させていただきましたが、いかがでしたでしょうか。ワーカーズコープの働きかたのことを、もっと知りたいなという方は、ガイドブックを手に取っていただければ嬉しいです。「入門編」とあるように、今後より具体的な内容を含めた「実践編」も作成していきたいと考えています。

ちなみに、このガイドブックの構成も挿絵のイラストも、ワーカーズコープで働く仲間が一緒に作ってくれたものなんです。日本全国にいるたくさんの仲間が、いろいろな能力や特技を持っていて、なにかを実現したいというときに、仕事や場所を超えて、一緒に形にしていけることも、ワーカーズコープの素敵なところです。




協同ではたらくガイドブック-入門編-


法制化を見越した、ワーカーズコープの働きかた入門書。ワーカーズコープを知らない人にも分かりやすいよう、実践している人の声を掲載することで働きかたがイメージしやすくなっています。さらに「立ち上げプロセス」で、手順や確認事項も解説します。
わたしたちが暮らす地域で、わたしたちに必要な仕事を、わたしたち自身が起こす―。「働きがい」「生きがい」を育てる新しい働きかたのガイドブックです。
協同総合研究所は、1991年に設立された、日本で唯一のワーカーズコープの研究機関です。
共に生き、共に働く社会づくりの調査や研究のプラットフォームの役割を担っています。

発行・製作 一般社団法人協同総合研究所
2019年9月30日発行/定価500円(税込)

注文フォーム https://forms.gle/81TB5mkVuvAvfe3J6

取材協力:一般社団法人協同総合研究所
文:荒井絵理菜
写真・図:創造集団440Hz